地層化する部屋と、何もしたくない午後

部屋に物が溢れている。無造作に投げ置かれた物たちが、重なり合い、まるで地層のようだ。

わたしは、一つ一つ考えて片付けるのがめんどくさいので、いっそのこと全て捨ててしまおうかとも思う。
足元に散らばる紙を手に取る。講義のメモだ。軽く目を通すが、何だかよく分からない…。

内容を読み取れないのだから、捨ててしまって良いのかもしれない。しかし、ここでこの、メモを捨てるということは、講義の断片を失うということだ。
教授が話していたことを、もう一度知る機会を失うことではないか。そう思うと、断片的なメモを捨てられなくなってしまうのだ。

メモは袋に入れられて、地層の中に戻った。
わたしは、これからの自分がもっと分かりやすいメモを残せるようになったらなと思った。f:id:sekiseiinkokotori:20180430171627j:plain